皆さんは、毎月の給与明細を見ていますか? 見るたびに「社会保険料」の欄の額が大きいことにがっくりしていらっしゃるのではないでしょうか。
社会保険が適用されいている会社に勤務している限りずっと控除され続けるこの社会保険料。しかも厚生年金の保険料率は平成29年度まで上がり続けていきます。
少しでも保険料を少なくして手取り額を増やしたいですよね。そこで今回は保険料が決まる仕組みを含め、保険料を減らす方法をご紹介します。
「標準報酬月額」の決まり方
毎年、4月・5月・6月に受け取る給与の平均額を、一定の幅で区分した報酬月額に当てはめて決定した額が「標準報酬月額」となります。例えば、報酬月額230,000円以上250,000円未満であれば、標準報酬月額が240,000円として計算します。
給与の締め・支払のタイミングとして、月末締め翌月払いが多いと思いますが、その場合3月・4月・5月に働いた分の報酬の額で決まる、ということになります。
そして毎月の保険料の額は「標準報酬月額×保険料率」で計算するのですが、標準報酬月額は1年間変わりません。毎年7月に決めた標準報酬月額を、大きな変動がない限り9月から翌年8月まで使用します。
この標準報酬月額を低くすることが、保険料を減らす超重要ポイントです。
ではどうやって減らす?
標準報酬月額を決める際、残業手当、通勤手当、皆勤手当など、毎月受け取るものはすべてが給与として含まれると考えてよいでしょう。また、通勤手当は数カ月分を一括で支給された場合でも含まれます。
含まれないのは見舞金、大入り袋、出張旅費の立替分など。また食事や住宅などの現物支給も含まれません。
では、標準報酬月額はどのようにすれば減らせるのでしょうか。自分でどうにかできそうなものとして2つ挙げてみました。
1:4月~6月の残業を減らす
まず自分でできることは、4月~6月に受け取る給与、特に残業手当を抑えるということです。給与の支払はが月末締めの翌月払いの場合は、3月~5月に働く量をセーブすれば良いということになります。
残業手当が固定という人は調整できませんが、毎月の固定給+残業手当という形式で支給されている人は、この3カ月に残業代が多くなり過ぎないようにしましょう。
2:給与アップがあれば4月ではなく7月支給分からにしてもらう
これは自分で決められるものではないかもしれませんが、給与改定のタイミングを7月にしてもらうという手法です。4月のタイミングで給与が上がってしまうと、年間の報酬の計算をする4~6月にしっかり響いてしまうからです。
7月からアップであれば、保険料は給与アップの前のまま1年間維持が可能となります。会社に給与改定のタイミングを交渉してみるのはアリかもしれません。通るかどうかは分かりませんが…。
人事部に所属している人であれば、テクニックとして提案してみても良いかもしれません。従業員の社会保険料の節約=会社負担分の節約ということにもつながります。
社会保険料の節約にはなるが、その半面…
現状、毎月払う保険料を減らすテクニックをご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
注意点として、保険料を減らすということはその半面、将来もらえる老齢厚生年金等の金額も下げるということを意味します。
現状の手取りを増やして、それをいかに利用していくのかまで考えた上で実践していきたいですね。
Source:平成26年9月分からの厚生年金保険料額表