米国の401kとは?
日本で広がりつつある確定拠出年金は、そもそもは米国の401kという制度を真似たものです。米国には401k以外にも社会保障制度として、OASDHI(社会保障制度)という制度があるのですが、これは日本の公的年金と基本的には同じものです。
OASDHIは日本の公的年金と比べてその給付額も少なく、これだけでは生活が難しいのが難点です。そのため、401kのような私的年金制度があるのです。
401kの仕組みは掛け金を労働者と国が折半して出すというもので、その運用は加入者に任せられます。運用次第では年金額を大きく増やすことも可能ですが、当然、年金額が大きく減ってしまうリスクも有ります。
401kはどうして米国で普及したか
401kは労働者にとっても企業にとってもメリットの有る制度でした。401kによって老後の生活が安定し、労働者の生活は安定し、企業への忠誠心も高まるという利点が合ったのです。
また、ポータビリティ性があるのも特徴です。つまり、転職しても401kは簡単に継続でき、普通の企業年金のようなリスクがないのです。これも転職が多いアメリカで好まれた理由でしょう。
そもそも資産運用を好む国民性ということも普及した理由です。401kは国からも税金で支援されているので、その点でも有利に資産運用できます。こういった理由がアメリカで普及した理由と行ってよいでしょう。
アメリカの401kから考える日本の確定拠出年金
日本の確定拠出年金はまだ始まったばかりですが、アメリカの制度が日本に定着するかはまだまだ解りません。転職がますます増える日本では、確定拠出年金は新しい年金の形として定着する可能性もあります。
日本人は元々、投資よりも貯蓄を好みますから、今後どれだけ確定拠出年金が普及するかは、人々の投資熱がどれだけ高まるかということにもかかってきているのかもしれません。
2008年の金融恐慌で、401kの運用を失敗して年金額が大きく減った、という話もアメリカではよく聞かれます。日本の確定拠出年金もこういったリスクとは無縁ではありません。今後も確定拠出年金からは目が離せないと言ってよいでしょう。